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ベランダから、北極星を置いて夜を回した夏の日

北極星を真ん中に置いて、

夜から朝まで、カメラを動かさずに回し続けました。

ベランダから見える空が、

ただ静かに、円を描いていくだけの時間です。

特別な理由があったわけではありません。

夜が長そうだな、と思った日で、

空もそれなりに澄んでいそうだったので、

ベランダに三脚を立てました。

北極星だけを決めて、

あとは朝になるまで、そのままです。

撮っている間、特にすることはありません。

途中で空を見上げたり、

明かりを消した部屋に戻ったり。

夜が進んで、

星の動きだけが、少しずつ形になっていきました。

うまく撮れたかどうかは、よく分かりません。

ただ、

動かない星を真ん中に置くと、

夜はこんなふうに回る、

ということだけは、はっきり残りました。

次に同じことをするかは、分かりません。

でも、

こうして残った一晩の記録を見返すと、

佐渡の夜は、思っていたより長かったな、

と思います。